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静寂の霞沢岳・秋

静寂の霞沢岳・秋

※この記事はお客様からご提供いただいた写真も使用させていただいております。素晴らしい写真のご提供心より感謝申し上げます!

かつてここからウェストンや芥川龍之介も眺めた穂高の姿峰
かつてここからウェストンや芥川龍之介も眺めた穂高の姿

10月初旬に北アルプスの静寂の山「霞沢岳」に登ってきました。平日の回と土日の回の二回設定の募集ガイドです。


平日の回

day1

河童橋と穂高連峰
河童橋と穂高連峰

上高地についたらまずはこの景色!

今日はばっちり合格点ですね。

 

さぁてくてくとウォーミングアップを兼ねてまずは明神へ。

黒沢上部
黒沢上部

明神館の少し先で道を右に折れて沢沿いの道を進みます。

 

カツラの甘い香りが漂う沢沿いの道は進むごとに勾配が段々と増していき、3,4つ沢を渡ると亜高山の針葉樹林に入ります。

するともうそこは紅葉の他真っ只中。

 

さぁもう一登りで徳本峠小屋に到着です。

徳本峠小屋客室
徳本峠小屋客室

小屋に到着。

定員10名のおかげもあって一人分のスペースは十分過ぎるほどに十分。

 

夕食で出たお米は小屋が特別に注文している農家さんのお米でとっても美味しい!

なんとそのお米の新米がその場で購入(注文)ができるってことだったので、5kg注文。

家で炊くのが楽しみです。

 

お米だけじゃなくおかずやお味噌汁もとても美味しく、そして就寝スペースも広々してて、布団はフカフカで。そして外に出れば目の前には穂高(↑トップの画像が徳本峠から穂高の展望です)。

とっても快適な徳本峠での時間を過ごすことができました。

 

お世話になりました!

朝のお弁当も美味しかったです。


day2

夜明け前
夜明け前

朝5時。ヘッドランプをつけて、小屋を出発。

しばらくは真っ暗闇の樹林を行く。

 

歩きだして30分ほど、東の空がだんだんと白んできました。

朝日を浴びる穂高
朝日を浴びる穂高

岩壁に朝日が差す荘厳な朝の穂高。

 

木々で良く見えませんが標高の高いところにはぶ厚い雲がかかっていそう。

柔らかな朝の色
柔らかな朝の色

日の出直前の力強い赤は時間と共にだんだんと柔らかくなっていき…

 

彼方に淡く浮かび上がったのは南アルプス。僅かに富士山も。

日の出のジャンクションピーク
日の出のジャンクションピーク

出発から約1時間でジャンクションピークに到着。

 

強烈な朝日を浴び、眼前には果てしなく広がる山々のパノラマ。

山に登る喜びが詰まった瞬間です。

雲に隠れる霞沢
雲に隠れる霞沢

ジャンクションピークからはアップダウンを繰り返しすこしずつ確実に霞沢岳に近づいていきます。

急登やザレ場もあってなかなか手強い。

 

そんな中、霞沢岳から伸びる尾根に虹が架かる。

ナナカマドの実とK1ピーク
ナナカマドの実とK1ピーク

ある一定の標高を頑固にも動かない雲がだんだんと散り、K1ピークがいよいよ見えました。

首が痛くなるほど見上げる勾配。

 

真っ赤なナナカマドの実が紅葉の斜面にアクセント。

ダケカンバが並ぶ斜面
ダケカンバが並ぶ斜面

上高地から見て六百山の裏面にあたる斜面。

ここも紅葉がおみごと。

白く見えているのは花崗岩の山体かな?

紅葉の道を行く
紅葉の道を行く

開けたところで歩いてきたルートを振り返ると「色とりどりの森を歩いていたんだなー」と気付く。

煙る霞沢岳
煙る霞沢岳

K1ピークまで来ると森林限界突破!ついに霞沢岳が射程に。

この日は東(左)から雲が湧き、西(右)から風が吹くという気象。

風が弱まるとこうして雲が稜線に進出してきます。

 

右に左に次々と流れる雲に霞沢岳が見え隠れ。

 

そんな中をK1~K2~霞沢岳と3つのピークをアップダウン。

霞沢岳を振り返る
霞沢岳を振り返る

無事登頂は果たした帰路。

上の写真と似た画角で山頂を振り返る。

 

今度は西風が東から湧く雲を稜線上で跳ね返しています。

短い時間でアップダウンもやヤセ尾根もありますが、爽快な稜線歩きでした。

霞沢岳から焼岳
霞沢岳から焼岳

視界を移せば眼下に見えるのは焼岳。

 

荒々しく沢筋についた傷跡。

大正池がどんどん面積を小さくしていることなど「当たり前だよな」と納得してしまう、そんな景観。

K1から六百山への稜線
K1から六百山への稜線

K1ピークに戻ってきて穂高を見るが…

時間が経てばと、微かな希望を持って山頂往復してきましたが…

やっぱり穂高は姿を現さず。

今日は霞沢→穂高の展望はだめでした…

 

ちょっと残念でしたが、この六百山へ続く稜線もなかなかの見応え。

右奥は常念山脈。

K1ピークから山頂を振り返る
K1ピークから山頂を振り返る

もう一度山頂を振り返る。この場所を去りがたく。

実はK1の直下のガレた急登を下るのが嫌で、なかなか下りる気分にならないとも言える。

 

でも良い山なんです、霞沢岳。

誰もいないし。

 

あ、そういえば今日はまだ他の登山者に一人も合ってないな。

人気の北アルプス南部にあって、この静寂さは完全に売りのひとつだと思う。

常緑樹と落葉樹
常緑樹と落葉樹

復路の紅葉もこんな感じで、

華やぐ復路
華やぐ復路

紅葉もなかなか素晴らしく。長いルートですが…

樹間に輝くナナカマド
樹間に輝くナナカマド

さくさくっと進んでしまいます。

 

針葉樹の黒い森に木漏れ日が差し、視界の先には燃えるナナカマド。

これも他には代え難い幸福の瞬間。※個人の感想です

徳本峠小屋
徳本峠小屋

そんなこんなで順調に徳本峠小屋に帰ってきました。

支配人さんにお米を買ったお礼できのこ(松茸?舞茸?忘れてしまった)ご飯のおにぎりをもらう。

 

ここまでほんとに誰ともすれ違わなかった、つまり今日の徳本峠~霞沢岳は我々パーティーが独占だったってこと。

平日とは言えすごい。

穂高に見送られ
穂高に見送られ

徳本峠から黒沢を下り、明神を経て上高地に戻ってきました。

 

すると、一日中雲に覆われていた穂高の稜線が…出た!

完全には雲は取り切れませんでしたが、奥穂と前穂のトップが見えました。

まさにお見送りで顔を出してくれた感じ。

 

ちょっと予報は怪しかったんですが、結局本降りで降られることはなく。

天気のみならず紅葉も山も小屋もどれもこれも素晴らしい二日間となりました。

 

ご参加いただいた皆さまありがとうございました!


週末の回

青空にダケカンバの黄葉
青空にダケカンバの黄葉

で、その週末も再び霞沢へ。

今度は天気予報も良い感じ。

 

二日目の道中で空を見上げる。青に黄色は映えるなー。

六百山と穂高連峰
六百山と穂高連峰

平日の回では見られなかったK1に向かう道中からの穂高連峰。

他にも焼岳、乗鞍、御嶽の火山列、笠ヶ岳、奥秩父の山々などが見られました。

 

しかし!この後東から雲がどんどん流れてきて(風も東寄り)、K1~霞沢岳間は迫りくる雲に包まれてなかなか展望が開けず!

またしてもK1から穂高の雄姿は望めず…残念。

 

週末の回にご参加のみなさまも大変お疲れ様でした!

ありがとうございました!!


静寂の山・霞沢岳は見事な紅葉を纏っていながらそれでもなお静かで。

(この週末、涸沢あたりは人人人ですごいんだろうな)

 

そして長いコースですが、歩きやすくもあり。緊張するザレ場ややせた尾根も適度に現れ。

2回目は土日だったので、さすがにそこそこ人はいましたが、それでも紅葉のピークでこの程度なら全然ってレベルで。

 

こういう"山に浸る"的な登山が好きな人ってもっとたくさんいると思うけどなーって言うのが思うところ。

まぁ近くに槍穂高連峰、涸沢、常念山脈って言う大スターがいればそりゃその存在も霞むか。

 

徳本峠小屋もほんとにおすすめだし、もちろん初日は上高地や明神も楽しめるし。

あとは島々谷からのクラシックルートが復旧してくれれば言うことなし(現在大雨の影響で通行不可)。

 

来年以降も細々と企画してファンをじわっと増やしてやろうと目論んでいます。

来ればわかるはず「北アルプスに霞沢岳あり」と。


☆募集中の企画です!!

 

○古き良き奥秩父。広大な奥秩父エリアで最も標高の高い連なりを2泊3日で縦走します。

2021年10月22日(金)~24日(日)秋の奥秩父~甲武信ヶ岳・国師ヶ岳・金峰山~

 

○上高地連続企画!単発参加も連続参加もOK。是非紅葉の上高地をお楽しみ下さい。

2021年10月27日(水) 黄金色の上高地

2021年10月28日(木) 紅葉の上高地で地図を読む

2021年10月29日(金) 紅葉の岳沢トレッキング

2021年10月30日(土) テント設営講習と黄金色の上高地

 

○多くの峠を越えて進む、歩き応えアリの1泊2日。 

2021年11月3日(水祝)~4日(木)大菩薩縦走

 

○行動食ってどのくらい必要?水って何リットル持てばいいの?何が必要で何が不要?そんな疑問もズバっと解決。実地もあります。

2021年11月7日(日)装備の軽量化図る

 

○はじめての雪山やスノーシューの企画、揃えております。今年こそは白銀の雪山登山へ!ゆるめの企画多いです。

冬のガイドメニュー

 

みなさまのご参加お待ちしております!!