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草紅葉の尾瀬を行く ~遥かなる32kmの旅路 ~ その2

草紅葉の尾瀬を行く ~遥かなる32kmの旅路 ~ その2

※この記事は大半がお客様からご提供いただいた写真で構成されています。素晴らしい写真のご提供心より感謝申し上げます!

尾瀬沼・朝霧
尾瀬沼・朝霧

尾瀬御池を出発し、草紅葉の素晴らしい田代(湿原)を抜け三条の滝へ、季節外れのリュウキンカとニリンソウに驚きながら尾瀬ヶ原に到着!


アケボノソウ
アケボノソウ

この時期いつもここで見ることができるアケボノソウ。

今回はなかなか目につかなかったけど、見晴の直前で発見できました。

見晴・尾瀬小屋
見晴・尾瀬小屋
かつての職場『尾瀬小屋』に到着。
今年から経営が新体制に変わっています。

お客さんが引っ切り無しに来てて忙しそうでしたが、新社長にご挨拶。
すると…
尾瀬小屋・いちごのシャーベット
尾瀬小屋・いちごのシャーベット

「お客さんにサービスです!」ってこんなのいただいちゃいましたー。


僕も美味しいコーヒーをいただきました。


今回はルートの関係で尾瀬沼での宿泊になりましたが、これはまた今度尾瀬小屋泊まりで来ないとダメだな。

尾瀬小屋・フード&ドリンクメニュー
尾瀬小屋・フード&ドリンクメニュー
外食堂のメニューもフード、ドリンク共に充実。

お昼ごろにここについて食べて飲んでのんびりするのもいいなぁ。

尾瀬ヶ原の絶景がまさに手に届くこの距離で、
ステーキ丼×生ビール
生ハム&サラミ×ワイン
フレンチトースト×コーヒー
って…

天国じゃん。
見晴のブナ林
見晴のブナ林
さてさて、本日はまだまだ歩きます。

見晴を出発してすぐが尾瀬内での私的No.1トレイル。
単なるブナ林の木道なんですが。ほんとに好きな道。説明しづらいけど、尾瀬でひとつ好きな場所を挙げろと言われればここかなー。

こういう天気のここって、さっきの小屋とはまた違う意味での天国。
ヒロハツリバナ
ヒロハツリバナ
豪勢に乱れ咲く(花じゃないけど)ヒロハツリバナ。
花期よりも実のこの時期のほうがよく目立ちます。
白砂峠
白砂峠
段小屋坂を登り切ると白砂峠に到着。
本日の登りはこれにて終了ー、あとはちょっと嫌な滑る下りと木道歩きです。
白砂田代
白砂田代
岩の滑るいやーな下りを丁寧に下り切ると、突如現れるコンパクトな湿原、白砂田代。
坪庭的な雰囲気がすごく良い湿原です。

少し進むと木道の両脇が池塘になっていて…
ナガバノモウセンゴケ
ナガバノモウセンゴケ
ナガバノモウセンゴケを発見!
とても貴重な植物で尾瀬と北海道の湿原にしか自生しません。

環境省指定の絶滅危惧Ⅱ類(VU)です。
(VU:絶滅の危険が増大している種)

粘液で虫を絡め取る食虫植物です。
栄養分の乏しい高層湿原では虫からエネルギーを得られるスキルは大きな武器になります。
モウセンゴケ
モウセンゴケ
葉の形の丸いこちらは単にモウセンゴケ。

環境省のレッドリスト(絶滅の危険性がある植物のリスト)には載っていませんが、都市圏を中心にいくつかの県で絶滅危惧種の指定がされています。

唯一東京都では『絶滅』となっています、尾瀬では普通に見られます。
沼尻平
沼尻平
白砂田代から一度樹林に入り再度視界が広く開けると、沼尻に到着。

「ぬまじり」とも「ぬしり」とも呼びます。
どっちでも正解です。

尾瀬沼の水が流れ出るところだから「沼の尻」なのでしょう。
8,000年前に燧ヶ岳からの岩なだれでここが塞がれて尾瀬沼ができました。

沼畔に休憩所が建っていますがいまは休業中。ロケーション抜群なのでぜひ来シーズンは再開してほしいです。
ヒツジグサと燧ケ岳
ヒツジグサと燧ケ岳
沼尻平の池塘にはヒツジグサが真っ赤に紅葉中。
ヒツジグサの紅葉
ヒツジグサの紅葉
燃えるような赤が黒い池塘に浮かぶ。

ここからは尾瀬沼の北岸を森、湿原、森、湿原と、時計回りに進んでいきます。
大江湿原の三本カラマツ
大江湿原の三本カラマツ
浅湖(アザミ)湿原を通過し、その次の湿原に出ると3本の木が塚の上にスッとたっています。
ここがニッコウキスゲで有名な大江湿原で、3本の木がその名も『3本カラマツ』といって尾瀬の名所のひとつです。
ちなみに木が立つ塚はその名も『尾瀬塚』。

ここでは「ウシ」と「フネ」の言葉を口に出すのはご法度。
長蔵小屋
長蔵小屋
尾瀬で最も古い歴史を持つ山小屋『長蔵小屋』。
平野長蔵翁が始めた小屋です。

長蔵翁が居なかったら今の尾瀬はこの形ではないと思います。

因果応報。今自分になにができて何をすべきか、過去に自然を守った人々を想うとそんなことを考えずにはいられません。
尾瀬沼と燧ケ岳
尾瀬沼と燧ケ岳
尾瀬沼東岸の一大集落を通過すると沼越しの燧ヶ岳が綺麗に望める木道に出ます。

燧ヶ岳は山頂が複雑な形で、見る角度によってかなり印象が変わる山です。
この角度も個人的には最も秀麗かも、草紅葉も相まって素晴らしい景色です。

ちょっと日が陰ってきましたが、間もなく今日のゴール、三平下に到着。
三平下・尾瀬沼山荘
三平下・尾瀬沼山荘
本日のお宿、三平下の尾瀬沼山荘に到着!

美味しいご飯とキレイな部屋。お風呂もあります。
またまたおもてなしを受け大満足な尾瀬の宿泊でした。

お世話になりました!

day3

三平下から尾瀬沼越しに燧ケ岳を望む
三平下から尾瀬沼越しに燧ケ岳を望む

そして最終日の朝。

尾瀬沼の沼畔から少し朝霧も出てとても澄んだ空気。清廉な気持ちになります。


そして、空は快晴!

尾瀬沼・静かな朝
尾瀬沼・静かな朝

南岸を歩くと木々は黄色や赤に紅葉し、その奥には常に尾瀬沼が静かに水を湛えいます。


森林があり湿原があり高山があり湖沼がある。それもそれぞれが「ちょっと」じゃなくてしっかりとそれも特徴的な形で存在する。

それが尾瀬の魅力のひとつだと思います。

青空に楓
青空に楓
オガラバナの橙色の紅葉、青い空に映えます。
オオシラビソの倒木
オオシラビソの倒木
一昨年の台風19号の時の倒木でしょうか?
とにかくバッタバッタ倒れていました。

ギャップ(倒木でできた日が差し込む空間)やマウンド(根返りでできる丘)に芽を出したオオシラビソの実生なども見られ、森の更新を感じさせてくれる景色でした。
大清水平
大清水平
しばらく森の中の緩い登りを進むと本日最初の湿原、大清水平に到着です。

秋の色がこれでもかと迫ってきます。

さて、ここから皿伏山〜白尾山という尾瀬では比較的マイナーな2座を縦走し、今回のハイライトであるアヤメ平を目指します。

その3 につづく


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2021年10月27日(水) 黄金色の上高地

2021年10月28日(木) 紅葉の上高地で地図を読む

2021年10月29日(金) 紅葉の岳沢トレッキング

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