強清水とツリフネソウと塩尻駅のワイン
久々に近所の山をぶらり。一駅電車に乗ってみどり湖駅で下車、強清水に立ち寄りすぐ裏の善知鳥山へ。
みどり湖駅から徒歩5分、「強清水」の案内に従って進むと神社に到着。
右の白塗りの柱に強清水の説明が書いてありました。
「強清水 一名権現清水とも呼ばれ、その昔 雨乞いのとき、ここへ釣鐘を沈めて祈ったと伝えられる。」
とのこと。この強清水ってたまーに聞くけど何が強(こわ)なのか?疑問。
霧ヶ峰では地名にもなっているし、岐阜県の恵那山山麓にも強清水の名の湧水があるらしい。そして会津の名水にも強清水ってのがあるみたい。
なかなか「強」の語源にたどり着きませんでしたが、ヒントが民謡『会津磐梯山』の中にありました。
この節。
「親は諸伯、子は清水」
お!こはしみず→こわしみず→強清水。音が同じですね。
で、この親は諸伯、子は清水ってなんのこと?さすがに民謡の節なんで調べたらすぐに出ました。
とある湧き水を、働き者の親が飲むと諸伯という高級なお酒なのだが、ぐうたらな息子が飲むと単なる水だった。
という会津の民話が基となっているとのことでした。「強」くも「怖」くもなく「子は」だったとは…想像すらしておりませんでした。
あー少しすっきりしました。
会津のそれがとっても優秀な水なので全国に知れ渡り、良い湧き水が「強清水」と呼ばれることになったって感じでしょうか?
とりあえず今日のところは強清水の語源は「子は清水」。会津の民話が基ってことで良しとします。
※あとになって他にも、強清水は「湧き出しの勢いが強い」「湧き出す水量が多い」という意味。という記事も見つけました。語源って難しい。
塩尻の強清水がある場所は上西條神社でした。
祭神は11の神々、元々この上西條地区にはたくさんの神社があったようですが、大正末期の神社合祀でできた神社とのことで祭神も多いようです。
これが強清水!こんなに勢いよく出てるんだ。
地形図を見ると集まってくる水の範囲はそう多くもなさそうですが…地面の中はそう単純ではないのかも知れません。
用水路に勢いよく流れ出ていく水も清々しい。
これが長年この土地の田畑と人間の生活を潤してきたと思うと偉大。
強清水の水質が掲示されていました。
確かにこの近くに石灰の採石場があります、なるほどーそれでミネラルが多めなんですね。
ちょっと見方が分かりませんが、硬度は90mg/Lってことで良いのでしょうか?だとすると確か100mg/L以上が硬水ですからミネラル多めの軟水ですね。
湧く量も多いし、ミネラルも豊富、太古の昔から貴重ないい水だったんだと想像できます。
灯篭の奥の岩の隙間から水が沸き出していました。
この池は一の池とのこと。さすが湧いた直後の池、異常なほど澄んだ綺麗な池でした。
一の池と拝殿の間を奥に進むと本殿が。
よく管理されており、地元の方々に大切にされていることが伺えます。
右上のところからドバドバ湧いてます。
なんだか郷愁と哀愁が漂う一コマも。
一の池から拝殿を挟んで反対側に二の池がありました。
二の池の周りにはツリフネソウがたくさん咲いていました。
花器の釣舟に似ているので釣舟草といいます。
なんとも不思議な作りの花です。
このような湿っぽい場所に群生します。
萼の先端をよく見るとクルクルと渦を巻いています。
この部分が蜜の入った距という部分です。
あとは花軸の赤い毛も特徴的。
で葉っぱの先はギザギザ。
神社を後にして少し進むと今度は同じツリフネソウ科ツリフネソウ属の仲間の「キツリフネ」が咲いていました。
黄色い釣船草だから黄釣船。
こちらの距はツリフネソウほど長くなく渦を巻いてはいません。
どちらにしろかなり長い距なので、中舌の長いハナバチなどがお得意様なんでしょう。
ツリフネソウと違って、花軸に赤い毛はなく、葉っぱの先もギザギザしていません。
花の形はそっくりな仲間なのに意外に違っているところが多いですね。
さて、2種の釣舟草を後にして登りにかかります。
わずかな踏み跡を辿って、ふくらはぎが攣りそうな急登をしばらく登ると…登頂!
山頂には三角点が。
小さな小さな里山ですが、あの強清水を育む大と思うと畏敬の念を感じます。
だんだんと涼しくなり、のんびりした里山歩きが楽しい時期に入ってきました。
さて下山。と思ってなにげなく周囲を見回すと、すぐそばに白い立派なきのこ発見!
調べてみたところ、シロオニタケと判明。明確な有毒ではないらしいですが…テングダケの仲間らしいので食べない方が無難。
なんとなく見た目的にもそう感じますよね。
でもすごくきれいなきのこでした。
帰りに塩尻の観光協会の売店に寄ってみたところ、塩尻の駅西口で栽培されたブドウで造られた、その名も「塩尻駅西マスカット・ベーリーA」がまだ売られていました。
※興味のある方はこちらをご覧下さい。
まだ、って言うのはこちらのワイン、観光協会の売店でしか買うことができず、しかも限定300本。
9月1日に発売開始されたワインなんですが、まだあったんです!ラッキー。
ってことで売り場に出てる2本を持ってレジへ。
お店の方に「あとどのくらいあるんですか?」って聞いたら「これが最後の2本です」とのこと。
あ、ほんとにラッキーだったんだ。
こちらは180mLのミニサイズですが、ちょうど明日17日からはフルボトルが発売開始!
https://tokimeguri.jp/guide/mascat-bailey-a/
今塩尻はぶどうの収穫があちこちで行われています。
収穫の季節、気候的にも過ごしやすくなって本当に気持ちのいい季節ですね。
でも台風だけは本当に勘弁してほしい…。