ついに好天!奥穂高岳
8月下旬。待ちに待った久々の青空!夏山らしい天気に恵まれ北アルプスの主峰・奥穂高を巡る4日間。
day1
ここでお客さんと合流。
いやー青い空が見えるだけでもう満足。
しかも今回は4日間とも大気も安定していて雷に追われる可能性も低そう。
ガイドというのはどんな天気でも緊張はするものだけど、天気がこうであれば楽しみが緊張を遥かに勝ります。
初日は徳沢まで。
穂高神社奥宮に寄ったりしながらゆっくり進みます。
徳沢到着。1泊目の宿泊は徳沢ロッジ。
もうとにかく「快適」のひとこと。
徳沢園の新たな施設TOKUSAWA-BASE。
徳沢園宿泊者と常設テントに泊まる「ぶらキャン」利用者専用の施設だとか。
ですので、今回は外からのぞくだけ。
こうして新しい試みで幅広い層に山や自然に触れてもらう機会を創出されているのは本当に素晴らしいことだと思います。
ロゴはこんな感じ。いいですね。
day2
早朝に徳沢を出発。
今日は標高差1400mを登る4日間中もっともハードな一日、まずは横尾まで歩きウォーミングアップ完了。
今日はちょっと暑くなりそうです。
横尾大橋を渡り横尾谷を進むと見えてくるのは大迫力の岩壁。
太陽を浴びて岩肌がピカピカと輝く屏風岩です。
そんな見るからに固そうな岩ですがその正体はあの燕岳などと同じ花崗岩(奥又白-有明花崗岩)というから驚き。
ここまでその印象を変えてしまったのには自然が作り出す奇跡のシステムの影響が!
なーんて話をしていると…
今度は穂高らしい天を突く荒々しい岩山が見えてきました。
よーく見ると一番高いところの少し右に赤い人工物が。
あれは、北穂高小屋。ということはあの山は北穂高岳です。
涸沢到着!あつい!けど気持ちいい。
穂高がぐるりと見まわせる好天の涸沢に来ると、日本屈指の山岳景観だとしみじみ思う。
ここまででも十分に来る価値あり!
涸沢ヒュッテから涸沢岳まで登り、ザイテングラートを目指してカール内をトラバース。
トラバースを終えて休憩に良い広いスペースに出ると、あちこちにイワオトギリの群落が。
休憩適地からザイテングラート(支尾根・側稜の意味)に乗ります。
取り付きにはこんな表示。
ここから手を頻繁に使うような岩場になりますが、よく整備されていて慎重に行動できれば難しいところはありません。
ただし落石や滑落の危険は十分にあり、気は抜けません。
時にはすれ違い待ちなどにも時間を要しますが、落ち着いて焦らず丁寧に登ることが求められます。
岩場が続きますが、安定したところで周囲を見回すと穂高を代表する岩稜ルート前穂高岳北尾根が荒々しくも美しい尾根を伸ばしています。
更にはtheピラミダル、常念岳。
標高を上げるにつれて遠くの山々がだんだんと見えてくるのも楽しい。
ただ上だけを見てガンガン登るんじゃなくて下も横も近くも遠くも、せっかくなんでいろいろ見てみましょう。
山頂からの展望だけでなく、その日その場所からの景色、展望は正に一期一会ですので。
でも歩く時はしっかり足元を。
穂高岳山荘の建つ白出のコルまで登ってきました。ペースは順調そのもの。
せっかくなのでおまけで奥穂高岳の逆側にあるもうひとつの3,000m峰、涸沢岳に登りましょう。
涸沢岳までの道中には純白のトウヤクリンドウが。
20分ほどで涸沢岳に登頂!さてさて展望はどうかな。
!!!
山頂に立つと涸沢岳自体に隠れていた北側の山々が一気に姿を現しました。
槍に黒部五郎に鷲羽に水晶に薬師にと、きりがありません。
息を呑む絶景。
展望を満喫したら小屋に戻りましょう。
標高差1,400m+αの行動でしたがナイスペースでした。
お疲れ様でした!
小屋前のテラスはこんな雰囲気。3,000mの稜線上とは思えないほどゆる~い空気の憩いの場となっています。
山での幸せな時間のひとつですね。
夕食も終わり、あとの楽しみはこれ!笠ヶ岳方面に落ちる夕日。
刻一刻と色調が変わるので目が離せません。
こうしてみんなこの時間を楽しみます。晴れていてほんとによかった。
day3
奥穂高岳登頂の日の朝です。空はすっきり、天気の心配は一切なしです。
出だしの岩場、鎖、ハシゴを慎重に登り切り、あとはちょっとしたザレ場やゴロゴロ岩の積み重なった道を進むと…
山頂に到着!3,190m北アルプス最高峰の奥穂高岳に登頂です。
お隣の前穂高岳、その奥には八ヶ岳、南アルプス、更には富士山が見えています。
しばらく展望を楽しんでいると…おや?我々の登頂を合図としたかの如く雲が湧いてきました。
この後山頂周辺は真っ白に。
山荘まで慎重に戻ります。下りの方が何倍も危ないですからね。
山荘の手前まで戻ってくると岩の隙間のイワギキョウが朝の光を浴びながらお出迎え。
白出のコルまで戻るとようやくほっと一息つけます。
さてさて、では涸沢まで下りましょう。
花は少なめでしたがクロトウヒレンが咲いていました。
トウヒレン属は、○○トウヒレン、○○ヒゴタイ、○○アザミ。
と名前もごちゃごちゃして分かり辛い…
見つけた地域で判断すると早いと思います。
北アルプス南部でみかけたらまずこのクロトウヒレン。
だいぶ降りてきました。
一月後には素晴らしい紅葉を見せてくれているであろうナナカマドもまだまだ緑々しています。
ここからもう少し下ると本日のお宿、涸沢ヒュッテに到着。
なんとあまりに順調で10時代に着いてしまいました。
でもこれこそがこの行程の楽しみどころ、緊張感から解放され、なーんにもやることなく晴天の涸沢で登ってきた山々を眺めながらのんびりするってめちゃくちゃ贅沢じゃないですか?
日が落ちるとテント場にたくさんの明かりが灯り始めました。
もう明日は最終日。4日って長そうで短い。
day4
さて最終日の朝。
涸沢ヒュッテの朝食時間は「ある時」にちょうど良いタイミングで設定されていました。
ではその時を楽しみに、朝食を食べ終えてから少し着込んで外へ。
時間は5:10。
まだ日が上がる前。よしよし、わるくない感じです。
5:15。
山肌の色がだんだんと、でも明らかに変ってきました。
5:18。
きました!涸沢名物のモルゲンロート。
穂高の山々が最も輝く瞬間です。
こればかりは必ず見られるものではない!とにかく今回はついてます。
ちなみに「モルゲン・ロート」はドイツ語で朝焼けの意味。
元々の意味では必ずしも山肌が赤く染まることを指すわけではありませんが、ここではこの現象をそう呼んでいます。
ドイツ語でこのように山肌が赤く燃えるような色になることは、「アルペン・グリューエン(燃える山脈)」と言うようです。
5:30。
赤く燃える時間は本当に僅か。
今日もいい天気だ。
テントの登山者は早くも撤収を開始したり、奥穂や北穂に向かって登りはじめています。
今日もそれぞれの登山がはじまります。
さて我々は下山開始です。
下山でとにかく大事なのは一にも二にも気を抜かないこと。
知っている道、もう少しで登山が終わる、事故が起きるのはそんな時。
本谷橋で一休み。
横尾大橋を右岸から左岸に渡ります。
ここまでくると少しほっとします。
あとは平たんな道を上高地まで。
自然を楽しみながら体をクーリングダウンするのにちょうど良い道のりです。
河童橋に着きました。ここで4日間のガイド終了です。
登って来た奥穂高岳がしっかりと見えています。
梓川で遊ぶ人々、川の色、木々の緑と山の白さ。
最後の最後まで絶景尽くしの4日間でした。
夏の北アルプス、満喫できましたでしょうか?奥穂高岳に登れれば登れる山は他にも沢山あります。
まだまだ素晴らしい山々が待っています!次はどの山へ?
でもまずは4日間、大変お疲れ様でした!!
☆募集中の企画です!!
○テント泊or小屋泊、選べます。基本的にテント装備はデポするので登る時は軽身です。
【2021年10月15日(金)~17日甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳】
○多くの峠を越えて進む、歩き応えアリの1泊2日。
○行動食ってどのくらい必要?水って何リットル持てばいいの?何が必要で何が不要?そんな疑問もずばっと解決。
○はじめての雪山やスノーシューの企画、揃えております。今年こそは白銀の雪山登山へ!ゆるめの企画多いです。
◎おかげさまで【霞沢岳】【秋の奥秩父】【地図読み@高尾山】などは定員となっています。
キャンセル待ちの申請も受け付けておりますので、各コースの詳細よりお申込み下さい!
○月×日に高尾で地図読みやってー。などのご要望もできる限り応じます。お気軽に お問い合わせ 下さい。
みなさまのご参加お待ちしております!!