火打山と妙高山
7月の中旬。火打山と妙高山に登る山旅。
day1
妙高高原に前泊。
妙高"高原"とは言うけど…暑い!
いもり池にあるビジターセンターは建て替え中でした。
2022年の春にOPENとのこと。
day2
翌朝、笹ヶ峰から登山開始!
スタートの緑溢れる木道はいつも心地が良い。
立派なブナの木が多い。
落ちていたブナの実。
十二曲り付近ではシラネアオイの実がたくさん見られました。
道すがら、とても綺麗なニョイスミレを見かけました。
色が全体に薄く紫を帯びて形も良い。
少し標高を上げると大量に現れたのはモミジカラマツ。
それからベニバナイチゴも多かったです。
高谷池が近づくとサンカヨウがなんとか花を残していました。
いったん本日泊まる高谷池ヒュッテに立ち寄って、荷物を軽くして火打山往復に出発。
でました!お目当てのひとつ、ハクサンコザクラ。いい色です。
落葉松の葉に花の形が似たカラマツソウ。蕾~咲きたては淡い紫が美しい。
イワイチョウの大群落の中に咲いていました。
天狗の庭に出るとワタスゲが、当たり年かな?
目指す火打山も良く見えています。
派手なクルマユリもポツポツと姿を見せてくれます。
こちらも鮮やかで涼しげなテガタチドリ。根が手形状なので"テガタ"と言います。
ド正面からウサギギク。舌状花も状態よく、筒状花も満開で見栄えがします。
やっぱり花を見るならこの時期かなー。
火打山山頂から妙高山を望む。
雲が増えてきましたが、太陽を隠してくれた方が暑さが和らいで助かる。
ヤマオダマキもちょろちょろと見かけました。キレイな花ですが、全草毒なので触らない方がいいです、もちろん食べるのもNG、下手をすれば死にます。
オダマキに限らずキンポウゲ科は大体が毒草です、トリカブトやフクジュソウが有名ですね。例外はニリンソウぐらいでしょうか。
夏ーーー!!
葉っぱは大量でしたが花はちょろちょろだったイワイチョウ。
秋に黄葉すると確かにイチョウっぽく見えます。波打つ花の縁が優雅。
雪の残る天狗の庭に戻ってきました。
池塘に映る火打山。帰り道では水面が穏やかでくっきりと。
葉の全体の形が高貴な人が差す"衣笠"に見立てて衣笠草。
ゲノムサイズ(細胞1つ当たりのDNA量)は人間の50倍。
ちなみにゲノムサイズ(bp:塩基数)
キイロショウジョウバエ 1.8憶bp
フグ 3.9憶bp
トウモロコシ 23憶bp
ヒト 30憶bp
マウス 33憶bp!
バッタ 650憶bp!!
キヌガサソウ 1,500憶bp!!!
トウモロコシとマウスの間にヒトが位置して、バッタがフグの167倍…
ゲノムサイズっていったいなんなんでしょうか?
今回はこちらにお世話になりました。
客室のテラスから。暑い暑い一日が終わりました。
day3
朝。池塘が美しい静かな高谷池。
すぐそばのテント場はロケーション良く張りやすい場所のひとつですが、土日は大混雑するので注意が必要です。
昨日見たワタスゲのような巻雲が空に。
ミツバツチグリの葉が見せる芸術。
溢液という現象です。
黒沢池を経て、妙高山の外輪山(大倉乗越)を乗り越すと妙高山の山頂がある溶岩ドームがお目見え。
北海道に咲くハイオトギリ(這弟切)の変種、信濃弟切。
あまり見ないピンク色の花を咲かせていたタカネナナカマド。
急登を登り切り、溶岩ドームの頂上に到着するとこんな風景。ゴツゴツ溶岩の奥には火打山と焼山。
期待した遠くの展望はダメでした。
妙高山最高峰の妙高大神。
ほとんど人のいない山頂でのんびり、ちょっと暑いけど。
鎖場、光善寺池、天狗堂、胸突八丁と下り、北地獄谷に沿う道に出ました。
沢の水で体を冷やす、夏場は地獄と名のつく天国です。
温泉成分が混ざっているのか白濁した沢。
玉川杜鵑。玉川は京都にあるヤマブキの名所でヤマブキに似た花色(?)なのでタマガワと命名されました。
「ホトトギス」の部分は霊長とされた杜鵑(ホトトギス)のように格調高いその佇まいから…(?)とか、ホトトギスの胸の模様に斑点が似ているからとか、諸説あり。
花の名前ってややこしいですね、でもストーリーがある方が覚えやすい。
複雑な形、模様の面白い花です。
二段の滝、ここは紅葉の時に来ると絶景。
この辺りからは舗装された道を歩くようになります。
白い花のヤマホタルブクロ。蛍ってもう何年も見てない気がします。
だんだんと広くなる舗装路を歩く事数十分。燕温泉に下山です。
河原の湯、黄金の湯も前々から気になってるけど、今回も入らず。
火打山と妙高山。ほぼ同じ標高で並び立ち二座セットで登られることが多い山ですが、その性格は対照的。
かたや隆起で高山植物が豊富、そして美しいなだらかな山容。
かたや外輪山を持つ成層火山で、ゴツゴツとした山容。
二座の間には高山植物豊富な高層湿原を有し、二座を登れば歩き応えもあるが、すごく危険な箇所もなく歩きやすい。
北沢峠を挟んだ甲斐駒ヶ岳と仙丈ケ岳、尾瀬ヶ原を挟んだ至仏山と燧ケ岳などと共に、本当に上手くできたもんだなぁと自然のさじ加減には感心させられます。
昨年は登りに来ることができませんでしたが、今年は登ることができました。
毎年でも訪れたい素晴らしい頚城の名峰です。
☆募集中の企画です!!
○剣ヶ峰だけじゃない!コマクサ咲く継子岳、雷鳥にも出会えるかも。
○無理なく、急がず、北アルプスの頂点に立つ。
○秋に!頚城山塊の両A面。
【2021年9月23日(木祝)~24日(金)火打山と妙高山】
○静かな平日に静かな山へ。
【2021年10月5日(火)~6日(水)紅葉の上高地と霞沢岳】
みなさまのご参加お待ちしております。