善知鳥峠から大芝山・霧訪山
花の開花状況を見に霧訪山へ。今日は善知鳥(うとう)峠から大芝山経由で。
善知鳥峠は中央分水嶺になっています。写真の右側の水は太平洋に、左側の水は日本海へ。
さて登山開始です。善知鳥峠から霧訪山まではずっと中央分水嶺です。
「紫背」と書いてシハイスミレです。
葉の裏が紫色をしているものが多いのでその名が付きました。
こちらはそのまま「曙」です。曙の空のような花色から。
ほぼ日本中に分布し特に関東地方の山地で一番よく見るスミレ、タチツボスミレ。
タムシバは今がピーク。青空を背景に乱れ咲いています。
まだまだ待機しています。
最初の鉄塔で展望が開けました。南アルプス北部の名峰がどかん。
八ヶ岳の山々もずらり。ずいぶん雪は減りました。
果実から油が採れるアブラチャン。黄色が青空に映えます。
大芝山の肩まで来ました。この"肩"というのは人間の肩と同じで頭(山頂)の一つ手前の平らな所を指します。山用語ですね。
なだらかな大芝山への道を進むと茶色の斑入りの葉っぱがちらほら。
あ、蕾!カタクリです。大芝山山頂に近づくにつれて一帯はカタクリの葉だらけになってきました。
でもまだまだ咲いている個体はおろか蕾も少なかったです。
見頃までもう一、二週間ほどでしょうか。
咲いているカタクリを目を凝らして探していると、突然大芝山山頂に到着しました。
咲いてるの見っけ。
この後もまだちょろちょろですが開花していました。
2つ3つ小ピークを越えながら進むとブナの別れに到着。
手前(山ノ神自然園)に下りたいので、ここから霧訪山山頂を往復します。
ブナの別れからは男坂と女坂の2ルートを選べます。
こちらは男坂。
良く踏まれて木の根っこが露出した急坂。
女坂は九十九折でゆるゆると登る道。
今日は女坂を選択。
明るい斜面にはカタクリの葉がたくさん見られました。
坂を登り切ると霧訪山まであと10分の表示。
木々が薄くなり空が開けると山頂はもう目の前。
山頂には山名道標以外にもいろいろあります。
木のベンチ、二等三角点、展望図、夢叶う霧訪の鐘、小林一茶の句碑、小野神社の境外社である會地社、オキナグサ などなど
さて今日の展望、まずは南側。左の方に南アルプス、光岳まで見えてます。
北西側には北アルプス。鹿島槍より北側は霞んでいました。真ん中辺りが穂高。
北側には松本平。ほんとなら白馬岳や妙高山、雨飾山なども見えます。
この日はタイミングよく松本空港へ着陸する飛行機が見えました。
さてさてオキナグサをチェック。
お!!モフモフなのが出てました。もう咲きそうだけどあとどのくらいなのだろうか?
霧訪山は二等三角点の山。ずいぶん状態の良い三角点ですね。
さて下山します。
ブナの別れからしばらく降りると…咲いていました。
前にチェックしていたイワウチワ。
春にこの花を見るたびに、花に限らずあらゆる自然界の中でもトップクラスに綺麗な物体だと感じます。もちろん他にも素晴らしい花などはありますが、自分の中では最上位です。
それが突然そっけない登山道に現れるんだからもはや違和感レベル。
イワウチワは比較的多くの山で見られる花ですが、霧訪山にもあって良かったです。
歩きやすい登山道をサラサラと下山。今日もありがとうございました。
登山口のすぐ脇にはニッコウネコノメソウ。
同じく登山口付近にもシハイスミレ。葉っぱに斑が入っていたので、フイリシハイスミレと呼ばれます。
たまらずの池のダンコウバイは花が終盤。毛が美しく輝く冬芽が生長をはじめていました。
池の畔のヤマザクラも開花。福寿草はわずかな花を残しほぼ終了でした。
山ノ神に立ち寄り。背後の岩が猛々しい。
山ノ神の周辺にはたくさんのカタクリが咲いていました。
ミズバショウはもうこんな。葉はすでにおばけ状態。
淡いピンクのニリンソウ、この周辺ではこれからが時期。
ネコノメソウの"猫の目"はこの状態が所以。
もう少し実が閉じれば細くなった猫の目になるんですが。
山ノ神自然園入口にある立派なキブシ。全盛期。
赤が強めのニンリソウも。
こちらは外来種のアメリカスミレサイシンの変色版、プリケアナ。左右の花弁(側弁)の基部の毛がすごい。
淡淡しくいかにも日本的な雰囲気のヒナスミレ。側弁の毛といい色といいプリケアナとの対比が顕著。
キクザキイチゲはもう終盤かな。
里の手前まで来るとヒカゲスミレ。
葉っぱが暗めの赤褐色に見えますが、この色がもっと濃く葉の表面全体に広がったものがタカオスミレです。
このように葉柄に毛が多いのヒカゲスミレの特徴。
霧訪山ではこれから多くのスミレが見られるようで、いまはまだまだ序盤。
日に日に新たな花が見られるこれからの時期は本当に楽しみが多いです。
里に出ました。梨の蕾が膨らんでいます。
様々な桜も咲き、農作業をする方々の姿も多く見られ、里が活気づいてきました。
天気も良く、適度に涼しく山も空いていて気持ちの良い登山でした。
今回は大芝山からのルートをとりましたが、あんなにカタクリがあるとは思っていませんでした。
歩けば次から次へと花が現れ、コースの長さも程よく、花を見て歩くのに理想的な山だと再実感。
ここから真夏までは日々新しい花が咲くでしょう、これからもしばらくは月2,3ペースで通うことになりそうです。
皆さまももし良ければ春の霧訪山を訪れてみて下さい。
☆このコースをカタクリとオキナグサの開花を狙って歩く花見登山プランを設定しました。
両日とも平日設定になりますが、静かな登山が楽しめると思います。是非ご参加ご検討下さい!