黄金色に輝く上高地
一ヶ月ほど前になりますが、10月下旬に今シーズンの夏山の仕事が一段落したので、上高地と安曇野に遊びに行ってきました。
day1
大正池でバスを降り、すぐに河原に降ります。
ここは焼岳の絶好のビューポイント。
この荒々しさがよいですね。
この直後に学校行事で中学生が100人ぐらいワイワイと現れたのですぐに逃げました。
田代池から梓川沿いをウェストン碑方面に進みます。
途中に川底が掘られて年中綺麗な色を見せてくれる場所があります。それがここ。
上高地温泉ホテルの近くで猿軍団と遭遇!
50匹以上はいたと思います。
ウェストン碑に到着。
知れば知るほどウェストンの日本の登山界への功績は偉大。
いったん河原に出てみると、バスターミナル周辺の見事なカラマツの黄葉の上に六百山。
右岸(川の下流を向いて右側の岸)から河童橋を渡って、左岸を進むと最初に渡る橋は清水橋。
その名の通り清水が流れています。
のんびりと歩いて今日の宿泊地、徳沢キャンプ場に到着。
平日なので張数は5張りほど。
狙い通りの場所に張れました。
今日の宿は10cmほど長辺方向が長くなった
アライテントのスーパーライトツェルト2ロング。
スーパー快適ツェルトです。
無意識にこれを持ってきてしまったけど、この環境ならフロアレス(床無し)シェルターでも良かったかも。
入口を開けると前穂が正面に見える位置に狙い通り張れて良かった。
月明かりもあるので、夜でも山は良く見えました。
静かで贅沢なテント泊です。
写真はありませんが、もちろん翌朝のモルゲンロート(山が赤く染まる朝焼け)もばっちり。
【通常のテントよりも軽量なツェルトの張り方が学べる講習会はこちら→12/2 山で泊まるための道具の話】
day2
朝はモルゲンロートを見た後にしっかり二度寝して、特に行く当てもなく奥又白池方面を少し散歩して徳沢に戻りました。
人がいない場所をゆっくり歩きながら、今年一年の仕事を振り返ったり、岩に寝転がってぼーっとしたり。貴重な時間です。
この日の冷え込みはちょっと強めで、霜華が咲いていました。
元はカメバヒキオコシかな?
こんな派手なものもありました。
テントを撤収しのんびりと明神まで戻ってきました。
明神橋からの明神岳が見事。
橋を渡って嘉門次小屋、穂高神社へ。
久しぶりに穂高神社に300円払って明神池に入ってみました。
ここに来るとちょっと人が多い。
コメツガやシラビソの緑とカラマツの黄色。
池に浮くカラマツの落葉。
池にくっきりと山が映っています。
有料ゾーンを一通り歩きましたが一番きれいだったのは戻り際の一之池でした。
と、今度は修学旅行らしき私服の高校生がどんどん入ってきて入口付近が大混雑。ここでわちゃわちゃは要らないので早々に立ち去りました。
嘉門次小屋の前の沢を覗くと魚が。岩魚かな?
右岸を進むと上高地に近づくにつれてどんどん観光客が増えてきます。
登山っぽい格好の人はまばら。
岳沢登山口付近はこんな景色で素晴らしいところです。
人が多いですが。
河童橋まで戻ってきました。
定番のアングル。いい日に来れました。
バスターミナルのカラマツもこの通り。
この時期の上高地、良いです。
day3
上高地から松本に戻り、翌日は安曇野へ。
行こう行こうと思って10年近く経ってしまった田淵行男記念館。
期待値あげていったのに、すごくよかったです。
安曇野で最も好きな場所、碌山美術館。
美術館の核となるこの本館(碌山館)は建築家・今井兼次の設計。
教会風の意匠に焼過レンガの外壁は重厚な風格。
休憩所(グズベリーハウス)の小屋組み。
インパクト強めなこの方杖。
後で調べたらこのグズベリーハウスの設計は彫刻家の笹村草家人。碌山館の調度品も同じく笹村の設計でした。
同じくグズベリーハウスのスツール。
中央のモチーフのおかげで重さの中にも軽快さが。
美術の倉という名前の建物の扉。
荒い彫りの部材の校倉作りで、小さいけど重厚な趣きの建物です。
こちらはグズベリーハウスの窓。
落ち着きつつもとても楽しい時間でした。
もちろん萩原守衛の作品も素晴らしい空間でゆっくりと見ることができました。
上高地と安曇野での3日間。
まもなく雪に閉ざされる上高地の黄金色は散り際の輝きのようで、碌山の最後の作品『女』と重なる部分もあり。
田淵行男の探求心や自然から美しいものを見つけるその"目"を羨望し…。
北アルプスの麓での時間は早くも来シーズンの北アルプス登山への渇望を深めてくれました。