谷川岳
ガイドで谷川岳をじっくり歩く機会をいただきました。
初日はゆっくりめに都内を出て、一ノ倉沢トレッキング。
二日目は西黒尾根を上り詰めて蓬ヒュッテまで縦走してテント泊。
最終日は馬蹄形を縦走し白毛門から土合橋へ下山。
そんな計画でいざ出発です。
day1

新道を一ノ倉沢まで進み、急斜面を旧道に上がります。
旧道を少し土合方面に戻ると一ノ倉の大岩壁が現れます。
こんな感じで雲がかかってましたが、迫力は十分。
明日歩く稜線は見えませんでしたが、ガスってその威容は数割増し。
近くの説明板によると、「倉」が岩壁のことを示すようで、一ノ倉は一番の岩壁という意味になるようです。
確かに隣のマチガ沢や幽ノ沢と比べると規模、迫力が違います。
帰りは谷川岳山岳資料館を見学して宿に戻ります。
昔の装備を見ると、今の装備で重い重いなんて言ってられません。
day2

なんと土合山の家のお風呂が温泉になっていました。
今年許可が取ったようです。
日帰り入浴もやっているとのこと。
土合駅然り、変化を求められているのでしょうか。
さて、最新の軽い装備を背負って西黒尾根登山口にやってきました。車道歩きキツイです。
10/31までロープウェイが休止しているので、今年は西黒尾根を登る人が急増しているよう。初心者向けの注意書きが貼ってありました。
確かに天神尾根往復のつもりで来て、ロープウェイがやってないからと気軽に変更できるコースではないですね。

武能岳の山頂で真っ白にガスりました。
場面は飛んで蓬峠の水場。
この時期は初めてきましたが、水量豊富でした。
相談の結果、翌日は天気予報も悪いので、長い馬蹄形縦走はやめて旧道に降りることに。
馬蹄形は長い上に雨だと白毛門の下りも危険なので、もっといい条件の時に歩きましょう。
day3

基本的に下山のみですので、少しゆっくりめに出発。
ただ、この下りもなかなか道が悪い。
沢筋の通過でちょっとずついやらしい箇所がありました。
時間はあるので慎重に降ります。
そんな道すがらちょっと変わった葉っぱのスミレが。
ニョイスミレの変種アギスミレかと思いますが自信なし。

白樺避難小屋からは紅葉の良いブナ林を進み、更に新道(湯檜曽川沿い)に降り川沿いに進みます。
JR見張り小屋から旧道に上がっておとといは見なかった幽ノ沢を見て帰ることに。
すると幽ノ沢の手前に「ブナのしずく」という水場が。
すぐ上のブナの根元から伏流水が出ています。

一ノ倉沢、マチガ沢と通過。一ノ倉沢からはハイカーもドッと増え賑わってきました。下界の天気予報は良かったんですかね?
車両通行禁止ですが、時折EV車の観光用バスが通過します。
この写真は、1885年(明治18年)に整備された、群馬の土木遺産「清水越新道の石垣」です。
この石垣がある現在旧道と呼ばれているハイキングルートは実は国道291号線、上州と越後を結ぶ重要な道です。
上州と越後の国境が豪雪地帯であることは明らか。
そのような厳しい環境に晒されること100年以上、この道をぐっと守り続けてきた石垣です。
よっぽどの技術じゃないとあっという間に全崩壊してもおかしくないでしょう。なんの変哲もないものに見えますが素晴らしい技術の結晶です。

しかしながら、最近の豪雨はそんな100年を越えた建造物をも破壊するパワーがあるようで、最近崩れたであろう場所も散見されました。
最近気象予報で聞くようになった「経験をしたことがない」という表現は人間だけの話ではないんですね。
谷川岳を巡る3日間。振り返りが難しい結果になりましたが、これはこれで良かったと思います。
山との間が噛み合わないとでもいうのでしょうか。
そんな時にはやめる決断も必要で、強引な決行は遭難の第一歩を踏み出すのと同じです。
遊びなんですが、時には死ぬことすら容易い遊びです。
悩んだ挙句に決行して大きな怪我などしたら後悔しか残りません。死んだら言わずもがなです。
たくさん悩んで判断を経験した分だけ、成長して安全に遊べるようになるはずです。
悩んだり、悔しいという苦しい思いがあったのであれば必ず糧にして欲しいと願います。