後志・胆振の山々を巡る-1
9月中旬。
前泊は俱知安温泉。
翌日はまだ暗いうちにひらふ登山口まで移動します。
後方羊蹄山の往復はなんだかんだで10時間は見ておかないといけないロングコース。薄暗い中出発します。
上空は濃い霧で小雨。
+275登って2合目。
足元は滑る岩と深い泥が多く気を遣う道です。
更に+225登って4合目。下部よりだいぶ歩きやすくなってきました。
中部山岳などでは見かけないエゾマツを観察、葉は本州のトウヒにかなり近いが少し柔らかい感じ。
更に+370登って6合目。標高は1220m。
既にちょこちょこハイマツも現れ、既に木々の多くはダケカンバ。
ぐんぐん登るので本州の山との垂直分布の違いを感じてもらうのにとても良い山です。
実の色が赤に変化しつつあるマイヅルソウの実。
葉は既に分解が進んでいます。
9合目まで来ました!本当は雄大な展望が広がるところですが、この日は展望ほぼゼロ。
風もだいぶ強いです。
この日はコケモモ祭りでした。
地衣類の白の上に緑と赤のクリスマスカラー。
急に場面が飛んで山頂道標です。
というのも北山の火口縁からはとてもカメラどころじゃない強風。
ハイマツの影で風に対する防寒を整え意を決して登りましたが、途中からはロープで確保しながら強風地帯を通過しました。
今回はマンツーマンでしたので進みましたが2人以上だったら撤退していました。
ガスガスに強風は心理的にも辛いものがあります。
ちなみに山頂の大火口は時計回りで回りました。
とりあえず山頂を踏めて一安心。
山頂道標を撮ったついでに進行方向をパシャリ。
なんだかすごいね。
山頂からの火口縁は岩場だったんですが、風は大して強くなかったので助かりました。
羊蹄山避難小屋でいったん落ち着きます。
管理人さんが居り、ストーブで暖められた室内は天国でした。
僕らよりも先に登っていった単独の若い男性は北山の風で引き返し、小屋に寄って行ったとのこと。
強風は経験がないと音や揺れる木々などから来る恐怖心で過度にびびっちゃうので、冷静にどんな風なのかを見極めることが肝要です。
今日の風だと自分自身はよろめかないし、お客さんひとりなら安全を保てると判断しました。
小屋が快適過ぎて1時間弱ゆっくりしてしまいました。
ありがとうございました。今度は泊まりで来たいです。
下山中にサルナシの実が落ちていました。
山で見つける色々な実の中で最も美味しいと思う実です。
まさにミニキウイ。
もちろんここでは食べてはいけません。
※羊蹄山のひらふコースはほとんどが国立公園の特別保護地区で、高山植物は天然記念物になっています。
食べても良い場所で出会えたらぜひ食べてみて下さい。
オオカメノキの葉がほんとうに大きい!
とかなんとか思っているうちに下山しました。
下部の滑る岩と泥の道以外はよく整備され歩きやすい登山道です。
明日からのニセコの山々に備えて今日はここからニセコの五色温泉に向かいます。
day3
五色温泉は部屋にある説明書きにもありましたが「何もない温泉を楽しむ宿」です。
近くにコンビニなど買物のできる施設はありません。
食事は品数、量ともにとても多いです。山旅にはもってこいの宿。
今日はここから車移動なしで登れるニセコアンヌプリとイワオヌプリに登ります。
相変わらずこんな天気です。
まずはニセコアンヌプリ。
野営場の横を通って登山口へ。
500m刻みでこのような案内が出ています。
泡のようなシラタマノキの実。でかい。
赤い実をつけるアカモノと対比してシロモノとも呼ばれます。
とにかく整備された登山道でした。
残念ながら景色は真っ白でしたが登頂。
実にあっさり登れましたが、ここが世界的なスキーの聖地ニセコの主峰。
山頂には避難小屋もありました。
内部の椅子にはスノーボードやスキーを感じるステッカー。
昨日の羊蹄山避難小屋とは違って他に設備は無く、あくまでも緊急的に避難するタイプの小屋ですね。
展望もないので次のイワオヌプリに期待して下山します。
すると、岩の隙間に何かが動いたような…
いたいた。オコジョがあらわれました。
しばらくあっちからこっちから顔を出してはすぐに引っ込めてを繰り返します。
だんだん慣れてくると、しばらく顔を出したまま。
でもこちらのほんのわずかな動きでまた引っ込んでしまいます。
動きが高速過ぎてブレましたが、こんなポーズも。
ガスって味気ない山でアクセントをありがとうございます。
登山道脇にはエゾオヤマリンドウが。
他にもトップの写真のオオカメノキ、これぞムシカリ。
津軽の唐塗を思わせる美しさでした。
五色温泉に戻ってくると、少し天候が回復してきました。
期待を込めて本日二座目のイワオヌプリへ。
つづく