鹿島槍ヶ岳 その2
海のように広がるハイマツや、
まさに今が満開のトウヤクリンドウを見ながら急な登りを昇り詰めると…
布引山に到着です。
ここからさらに200m強の登りで鹿島槍ヶ岳山頂です。
the高山の花。タカネツメクサ。
透き通るような花弁がきれいです。
イワオウギはすっかり実になっていました。
これを見ると嫌でもマメ科とわかりますね。
イワベンケイも実に。少しひょろっとして弁慶感は弱め。
白い毛が特徴のチシマギキョウ。
なかなか形の良いものに出会えました。
ちなみに八ヶ岳のチシマギキョウはこのように花が開きません。
そしていよいよ鹿島槍の直下!
おお!青空が出ている。この奥には唐松岳や五竜岳が…
…全く見えませんでした。
直下の青空は一瞬の思わせぶりでした。
展望はありませんがとりあえず後立山連峰の盟主・鹿島槍ヶ岳の頂上、南峰に到着。
さぁ時間もあるので北峰を往復しましょう。
吊尾根への下りはじめが少し岩場ですので慎重に下ります。
南峰から鞍部まで下り、少し登り返すと北峰の頂上。
残念ながら周囲の展望はほぼ無し。
北峰からの下りでヒナ3匹を連れた雷鳥に出会いました。
ヒナはイワヒバリと戯れていました。
これは戯れを心配して見守る親鳥。
鞍部の雪溜まりの近くにはウメバチソウ。
仮雄蕊の先の腺体(ちっちゃい白や黄色の丸いもの)の数が少ないのでコウメバチソウか?
ウメバチソウは場所によっては数も多いので「なんだウメバチソウか」なんてなりやすい花かもしれませんが、よーく見るとすごく繊細なつくりで感激します。
ミヤマリンドウも咲いていました。
シコタンハコベに、
シコタンソウも咲いていました。これらは色丹島にもたくさんあるのでしょうか?
シコタンソウの別名はレブンクモマグサ。
岩場を登って鹿島槍ヶ岳南峰に戻りました。ここで少し岩の観察です。
白い岩の中に楕円形の黒い岩が入り込んでいます。
これは暗色包有岩というもので玄武岩マグマが固まったもので、周りの白っぽい部分は黒部川花崗岩で花崗岩マグマの固まったものです。
温度の低い花崗岩マグマの中に高温の玄武岩マグマが飛びこんで急冷され外周が固まったものがこの黒い部分とのこと。
マグマがマグマで急冷されると言われもなかなかピンときませんよね、自然界では人間のスケールでは理解し辛いことが日常的に起こっているようです。
南峰から下山にかかります。
左の谷から思いっきりガスが吹き上がっています。
間隔の狭い尾根と尾根の間の沢の源頭にあたるので、もろに風の通り道になり局所的な強風が吹きます。
冷池山荘までの下りは布引山の登り20mほどを除いてほとんど下りなので、楽々です。
道も歩きやすく花も多いのでここがある意味今回のハイライトかと思います。