奥穂高岳
小屋到着直後に雷雨があり間一髪。
その後に陽が差してきたロッヂの前庭。ハルニレの林をみると黄色い背の高い花がたくさん咲いていました。
メタカラコウです。
オタカラコウと比べて花(舌状花)が多くても3個ほどと少なめ。
マルバダケブキにも似てますが、花の色がこちらの方が薄め。
黄色い「花びら」らしきもの1枚が1個の花です。
タンポポやヒマワリなども同じつくりですね。
徳沢ロッヂの談話室は薪ストーブに松本民芸のロッキングチェア。
全体に落ち着きのある色使いがいい雰囲気を出しています。
こちらの椅子は松本民芸と言えばのフトイの編みこみ。
初日は静かな山小屋でゆったりと過ごし、明日からのハードな登山に備えます。
day2
徳沢ロッヂの朝食は時間が遅めなので、お弁当を談話室で食べて出発です。今日は涸沢カールを経て穂高岳山荘を目指します。
少し歩くと朝日の当たる前穂高岳。いよいよ穂高連峰の内部に入っていきます。
1時間ほど進み、横尾大橋から見る前穂高。
暗くてピントが合いませんでしたが、道端にランの花ミヤマモジズリが咲いていました。
少しネジバナ(モジズリ)に似ていますが、花がネジバナよりも大きめで、ネジバナほど螺旋がきれいな並びじゃありません。
横尾から本谷橋までの間で存在感が放つのはなんと言っても屏風岩。
信じられないかも知れませんが、実はこの岩も燕岳と同じ成り立ちの花崗岩。
休憩ポイントの本谷橋に到着です。
日差しがきつくなってきました。
例年大混雑するここも今年は静か。
クロクモソウ(黒雲草)が日を浴びています。
今日は小屋到着まで黒雲が湧きませんように。
Sガレに地名を示す道標が建っていました。
ここも休憩しやすいポイント。そして…。
奥穂高が見えました!いい天気。
Sガレからだんだんと傾斜を増す登山道を進むと涸沢ヒュッテに到着です。
ここまでの登山道は他の登山道に比べて群を抜いています。
実はこういった小屋の方々の努力がいかに事故を減らしているかつくづく頭が下がります。
この辺りしか登ったことない人は「北アルプス楽だなー」とか言っちゃいそうですが、このレベルで整備された道はそうそうありません。
予定よりも早く涸沢に着いたのでゆっくり休憩。
テラスからのカールの上部を見上げると北側に目立つのは北穂高岳。
中腹に見える小屋は涸沢小屋です。
カールの縁(稜線)のへこんだことろが白出のコル、目指す穂高岳山荘が建っているところです。
これから向かうザイテングラートもよく見えています。
カール内を登りザイテングラートの取り付きに向かう途中のガレ場で岩の隙間にクモマグサ。
ザイテングラートをしばらく登り振り返ると前穂高岳北尾根のギザギザが目立ち、涸沢のカール形状がよくわかる。
この涸沢カールは日本でも最大規模のカールです。
カールというのは積もった雪が氷化して重力で削ったスプーン状の地形ですので、上部に行けば行くほど傾斜はきつくなります。
あくまでも氷河=河なので流れがありますので一方向が開けます。
4つ上の写真がその開けている方向を撮ったものです。
だんだんと雲が増えて遠くで雷が鳴り始めました。
ゴロゴロといやらしい音が聞こえる中も焦らず慎重に行動し、穂高岳山荘に無事到着しました!雨もパラパラ程度で済みました。
屏風岩と常念岳の間に虹がかかっています。
常念山脈に白いベールがかかっているように見えますが、これは雨。
雷もその上空で鳴り続けてます。
まだ14時頃、あの中で行動している人がいないことを願います。
あっちはおそらく地獄のような状況なのに、こっちは小雨すら降らずのんびりした雰囲気。
局所的な大雨雷雨はもはや運?
と思いきやヤマテンではこの雷雨をはっきりと「常念岳付近」と予測していました。
日没の時間になり小屋の裏手に出ると…。
見事なダイヤモンド笠ヶ岳。遠くの雲に浮かぶ山は白山。
稜線の小屋に泊まるメリットの一つがこういった景色を容易に見られることです。
上空の雲の色が刻一刻と変化し、だんだんと日が暮れていきます。
ジャンダルムもその威容を誇っていました。
雷も止み穏やかに2日目終了です。