立山連峰縦走
〜薬師岳・五色ヶ原・立山〜 その3
タルチョが架けられて、ネパール色の強いスゴ乗越小屋。
玄関で焚かれているお香がより雰囲気出していました。
小屋から出発し1分のテント場から、(トップ画像の)二つの峰。
スゴノ頭と越中沢岳がみえます。
テント場からは早速、下り、登り、下りとアップダウンが始まりました。
二つ目の下りを下りきった鞍部がスゴ乗越。
しばし休憩し、最初のピーク、スゴノ頭の登りに取り付きます。
スゴ乗越から登りだして数分。昨日歩いてきた方を見返したところ。
赤い屋根のスゴ乗越小屋、緑でなだらかな間山、奥には茶色い山肌の北薬師岳が見えています。
めちゃくちゃキレイなニッコウキスゲ発見!
朝日を浴びて光るチングルマの果穂。
ある程度登ると樹林から抜け出します。
すると左手には次に控える越中沢岳が…。威圧感。
スゴノ頭付近より。
ハイマツ越しに薬師岳が良く見えます。遠くに笠ヶ岳も見えてます。
スゴノ頭はピーク手前がハイマツと真砂の広場のようになっていて、そこから越中沢岳方面に下るのでピークは踏みません。
広場で休憩し、まずは鞍部まで100mほど下ります。
すでにかなり暑くなってきました。
越中沢岳は完全に南向き斜面の登りなので、晴れていると日射がきついです。鞍部から280mほどの登り返しです。
急登部分を終えるとホッとするこんな道に。
登山道脇にはチングルマの花が。
道の先に見えるのが越中沢岳の山頂です。
越中沢岳から五色ヶ原方面。
遠くに立山も見えているが、とにかく五色ヶ原が見えてなんとなくホッとする。
ただしあまり早く見え過ぎるともう少しと思い込み、気が抜けてしまうのが…。怖いです。
ここからまた250m弱下って、250m強登り返します。
そうすると中央にみえる山頂部の尖った鳶山です。
緩く下り切りだだっ広い強風地帯を通過し、更にもう一段下ると越中沢乗越という鞍部に。
この鞍部では久々にきれいな花があって気が休まります。
形の良いクルマユリ。
リンネソウ。
リンネは輪廻ではなく、カール・フォン・リンネという人の名前です。
カール・フォン・リンネは「分類学の父」と呼ばれた生物、植物学者で、そのリンネが「私の花」と呼んだのはこの花。
かつての日本名は「夫婦花」。安易だが分かりやすい。
草本(草)ではなく木本でチングルマなどと同じ小低木ですね。
結実率が低く主に地下茎で増殖しているらしいです。
小さな花々にも様々な生き残り戦略があるんですね。
トウヤクリンドウも咲いていました。
ここまでではほとんど見かけなかった花。
夏の終わりを感じさせる花ですね。
まだ8月初旬ですが。
アザミなどと同じキク科でトウヒレン属。アザミはアザミ属。
トウとは漢字で「唐」で 外来的な という意味があります。
針葉樹のトウヒも漢字だと唐檜。
トウヒレンやトウヒのどこがどう外来的か?というのはおそらく名を付けたの人の主観ですので、そこは…感じ取って下さい。
めちゃくちゃ地味だけど名前は嵐草。
これはさすがに名前負けか。
嵐の中でも生育できるという意味合いなのでしょうか。
それを言うと大抵の高山植物はそうしているわけで…。
花の名前は命名者の主観が多分に含まれますので、なんでだ!と言っても仕方ないんですね。
もうウメバチソウが咲いていました。
この辺は例年よりも少し季節が前倒しになっている感じを受けます。
鳶山も途中から勾配がきつめになり、隣の無名ピークとの鞍部に登るとその先の斜面はお花畑。
写真だとよく分かりませんが、おおー!となる感じです。
ハクサンイチゲとシナノキンバイがメインの雪田系です。
鳶山を越えるといよいよ五色ヶ原。
さっそく山頂から木道が延びていて、その先の先に赤い屋根の五色ヶ原山荘が見えました。
右奥の方に点在するのが三日月池。
白いのは雪渓です。
だいぶガスってきました。
萼片の鋸歯がイワギキョウの証。
無毛なのでチシマギキョウに比べてすっきりした印象。
キバナシャクナゲがこの時期に見られるというのはなんか嬉しい。
最近の金峰山だと6月上旬ですからね。
見えてからが長かった!
本日の宿、五色ヶ原山荘に到着です。
予約が取れず本当はここではテント泊の予定でしたが、受付で聞いてみるとキャンセルが出て部屋は空いているとのこと。
お客さんの要望もあり素泊まり小屋泊に変更です。
シュラフとマット分の重さは単なる荷重になっちゃったけど、明日以降を考え体力をしっかりと回復させる方が大事。良い判断だと思います。
というわけで3日目も無事に終了!