立山連峰縦走
〜薬師岳・五色ヶ原・立山〜 その2
まずはこの木道を進みます。
花も見頃な木道をてくてく進むと薬師峠に着きました。
薬師峠からの登り。
まずはジャバジャバと水の流れる沢状のところを登っていきます。
まだちょっとしか進んでないけど、振り返って太郎平小屋。
薬師平に出ると視界が開け…
小さな星のようなミネズオウ。
さてこれはなんでしょう。
この真夏に雪どけ直後に咲くショウジョウバカマも!
雪溜まりの周辺は季節が混在し春~秋の花が一度に見れます。
似てるのは花の雰囲気と果実が可食でおいしいというところ。
花弁が丸くて一瞬、?となったがイワツメクサ。
こう見えて実はV字の花弁が5枚。
黒部五郎岳のすぐ左にひょっこり笠ヶ岳。
そして、その右に浮かぶは…御嶽山!!
爽やかな青空と羊雲。
the高山の雰囲気の中、快適に薬師岳山頂を目指します。
標高をあげると進む先のさらに奥に後立山連峰が!
薬師岳山頂の手前のピークからは中央カール。引き込まれそうな見事なカールです。
右奥には槍穂高連峰。
山頂到着!このうえない快晴です(トップの写真)。
進む稜線上には北薬師岳、その先には立山と剱岳。
今回の終着点である大日岳も見えていますが、まだまだ遥か彼方。
眼下には金作谷カール。
チシマギキョウは風の強い高山帯に自生します。
北薬師の少し手前まできました。
薬師岳山頂を振り返ると金作谷カールの底にモレーン(氷河が削った岩や土砂が堆積した地形)が見られます。
モレーンをアップで。
蛇行しているのが分かると思います。
こんな形なので、S字モレーンなんて呼ばれてます。
岩場を慎重に進むと北薬師岳に到着。
道標はボロボロで、なぜか眼鏡×2。
まだハクサンシャクナゲも咲いていました。
亜高山ではヒトの背丈を越えますが、高山では這って生活します。
今回の記事の中では、
ミネズオウ
クロマメノキ
コケモモ
と、このハクサンシャクナゲは同じツツジ科ツツジ属。
この花も大半が終わりかけでしたが、これはまだまだきれいな個体。
これは今回の記事だと、
オオバミゾホウズキと同じゴマノハグサ科。
長野県代表の金の梅。シナノキンバイ(信濃金梅)。
高山のお花畑には決まって顔を出す律儀者。
もう葯が全て落ち、雌しべが開いている状態。
この頃になると花弁に隙間があるこの雰囲気になります。
花が縮こまっている時は男性。のびのび開いている時は女性。
といった感じでしょうか。
高山のスミレでこの雰囲気だったら大体ミヤマツボスミレ。
スミレの見分けは大変と思われますが、見た目じゃなくて「どこに咲いているか」から入ると俄然楽。
※この「どこ」というのは高山、亜高山、山地、低山という垂直分布帯だけでなく、礫地、湿地、林の中などの環境も含みます。
北薬師から間山を経て岩場や草原を下り基調で淡々と降り、樹林に突入するとスゴ乗越小屋が現れました!
2日目終了!今日もお疲れ様でした。
写真ではきっと伝わりませんが、このスゴ乗越小屋の味噌汁は絶品でした。
今日の後半でちょっとお疲れなテント泊縦走登山者を何名か見かけました。
北薬師ってまだですか…。という感じの。
そこから薬師岳を越えて薬師峠までもけっこうありますが…大丈夫?
と、そんなお節介は言いませんが、ついそう思ってしまいます。
多分今日は五色ヶ原から来ているのでしょう、最終的にどこまで行くかは分かりませんが、そういう人は大抵装備がごつ過ぎ。
あと、ザックの外にコップとサンダルのぶら下げ率高し。
これってどこの誰が普及させているのでしょうか?
コップを外にぶら下げる意味とは?
サンダルをザック内に仕舞わない意味とは?
計画のことを言えば、おそらく今日歩く道のアップダウンをあんまり勘定できていないように思います。
コースタイム地図(基本、平面で見る)だけではなかなかご自身の疲労度合いが想定できないのでしょう。
やっぱり地形図でどのくらい登ったり下ったりがあるのか、急登なのか緩い登りなのかなど、
事前に把握していないとちゃんと山と向き合えません。無尽蔵に体力があるなら別ですが。
もっと地形図を活用しましょう。等高線を読みましょう。
とは言え、そういう苦しい登山を経て、少し痛い目にあって装備がブラッシュアップされたり、計画が上手くなったりするんですけどね。